熱中症は命を落とす可能性があります
日本の夏は湿気が多くてとにかく暑い!
猫ちゃんにとっても辛い季節です
とくに猫ちゃんは汗をかく場所がお鼻と肉球にしかないため、体の熱を逃がすのが苦手
だから、体温を下げる事も難しいのです。
人でも猫でも熱中症にかかると命を落とす可能性があります。それもあっという間に…
もしも猫ちゃんが熱中症になってしまった場合、どんな事がおきるのか、症状、対策方法、応急処置を詳しく解説していきますね
猫だって熱中症は怖い!
猫は自分で快適な場所を探すため、熱中症にならないと勘違いしている人もいらっしゃるようですが猫ちゃんは暑さに弱い生き物。
しかも人のように発汗して体温を下げる事ができないため、体温が上昇すると下げる事が難しいのです。
熱中症にかかると猫ちゃんだってあっという間にいのちを落とす事があります。
暑い日帰宅したら、愛猫がぐったりしていたなんて避けたいですよね…
あの時は本当に危なかった体験談
新人ブリーダーの社会人ほやほやでお金がなかった20代前半の頃、当時の愛猫2匹と会社の寮に住んでいました。
ところが、8月の一番暑い時期に限ってエアコンが壊れてしまい、すぐに管理会社へ連絡して直してもらう事になったのですが、修理にきてもらうまで2日はかかるとの事。
仕方なく窓を少しだけあけて、それ以上開かないように工夫し仕事に出かけたのですが、帰宅したら思わず後ずさるほど室温が高かったのです。
猫たちもパンディング状態!
歩いているもののすぐに横になってハアハアと口で息をしていました…
こりゃいかんと大慌てて窓を全開にし、氷水を洗面器に作って扇風機の後ろに置き、冷風が部屋を行きわたるようにしました。
そして猫たちに濡らして冷やしたタオルをかけ、うちわで仰ぎながら病院へ電話をかけまくったのですが夜22時を回っていたのでどこもつながらず…
幸いしばらくして猫たちもすっかり元気になり何事もなかったように水を飲み、ごはんを食べたていたので事無きを得たのですが、あの時はさすがに焦りました。
当時ひんやりグッズなんて今ほどなかったので窓を開けておくしか思いつかなったですが、認識が甘かったなと物凄く反省しました。
本当に生きててくれて良かったです。
熱中症になりやすい環境
猫ちゃんが熱中症になりやすい環境は以下の通り
- 室温30度以上
- 湿度60%以上
- 風通しが悪い
しかし、これらの条件よりも低い数値でも熱中症になる場合があります。
例えば室温28度で湿度70%でも熱中症になる可能性はありますし、とくに高齢や長毛種の猫ちゃんは熱中症になりやすいのでご注意を。
どんな症状?
熱中症になるとどんな症状がでるのか見ていきましょう。
■初期症状
- 元気・食欲がない
- 呼吸や心拍数が早い
- 肉球や耳が熱い
- 目が充血していたり、耳が赤い
- 落ち着きがなくなる猫もいる
■中度の症状
- 口呼吸している(パンディング)
- 嘔吐
- 下痢
- ヨダレが大量に出ている
- 体温が40度超える
- ヨロヨロとふらつく
■重度の症状
- けいれん
- 舌や歯茎が青紫色(チアノーゼ)
- 意識が混濁or意識がない
初期症状は「なんとなく元気がないなぁ」と見えるため、熱中症に気が付かないケースがあります。
また、軽い症状だからと油断していると急速に重症化することもあり、死に至る危険性があります。
重症化した時の死亡率は50%に登るとも言われています。
また重症化すると、必要な血液が臓器や組織に循環せず、酸欠を起こして合併症や後遺症が残る場合があります。
熱中症対策
エアコンを積極的に利用する
室温は25~28度、湿度は50~60%程度
留守中も可能であればつけておいてあげてください。
ただし冷え過ぎには注意しましょう。
体がひえすぎると体調を崩すことがあります。
ある程度自由に室内を移動できるようにしておくと良いです。
ケージにしまっている場合は直接風が当たらないようにする事と、屋根付きベッドなどで温まる事が出来る場所を作っておくと良いです。
最近では、人感センサー付きのエアコンの場合、人がいなくなると自動的にスイッチが切れてしまう為、日中空調が入らず愛猫が熱中症になってしまうという事故が多いようです。
また、エアコンのリモコンのスイッチを猫が踏んでしまい、帰ったら暖房になっていたなんて事もありますので、リモコンの置き場所にも工夫が必要です。
ひんやりグッズを活用
アルミプレートや冷却ジェルシートなどで快適に。
停電や故障などでエアコンが使えない時の対策としても備えておくと良いです。
また、猫ちゃんのお気に入りの場所に置いておいてあげるとより快適に過ごせます。
凍らせたペットボトルをタオルで巻いて置くのも効果的です。
空気を循環させる
扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用して使うと効果的。
ただし、直接猫ちゃんに風が当たらないように注意しましょう。
風にあたりすぎると体が冷えすぎて体調を崩してしまいます。
直射日光を遮る
窓から直射日光が入るだけで室温は上がります。
遮光カーテンやすだれなどで日光を遮ってあげましょう。
ブラッシングをする
ブラッシングで風通しを良くしましょう。
日頃からブラッシングをして余分な抜け毛を取り除く事で通気性がよくなり熱が逃げやすくなる為、効果的です。
とくに長毛種の猫ちゃんはこまめにブラッシングをする事をお勧めします。
サマーカットも効果はありますが、美容が嫌いな猫ちゃんはストレスもかかるのでよく検討してくださいね。
お水を復習箇所に用意
いつでもどこでも新鮮なお水が飲めるようにしておきましょう。
自動給水器もおススメです。
夏場はお水も痛みやすく、猫ちゃんのお口は菌が多いため最低でも1日3回は交換しましょう。
ウェットフードを与える
水をあまり飲まない猫ちゃんにおススメ。
猫ちゃんは積極的に水分を取らないため、ウェットフードで水分補給をさせるのもおススメです。
ウェットフードは80%以上水分が含まれているため、栄養と水分補給で一石二鳥です。
また、スープを作って与えるのも効果的です。
例えば鶏むね肉やササミのゆで汁を冷まして与えたり、ちゅーるスープを作ってあげるのも良いですよ。
万が一の応急処置
もしも熱中症と疑われる症状が出ていたら、取るべき行動で結果が変わるかもしれません。
その時の対処法と応急処置を解説しますね。
- まずは動物病院へ連絡する
- 保冷剤や氷で首、脇、股を浸す
- 濡らしたタオルで全身を拭く、またはくるむ
- 布やコットンに水を含ませて舌を湿らす
- 室温を下げる
病院への移動中も同じように対処できると良いです。
この応急処置をするかしないかで、死亡率や後遺症の結果が変わると言われています。
注意点としては冷やしすぎにも注意してください。
体温が39度まで下がったら冷やすのを止め38度以下にならないように気を付けましょう。
体温は肛門に体温計の先を入れて測定する方法が正確に計れます。
また、アルコール消毒液を全身に吹きかけて気化熱を利用し下げる方法がありますが、皮膚炎や誤飲の危険もありますのでやめましょう。
こんな猫は要注意
特に熱中症のリスクが高い猫ちゃんは次の通りです。
- 長毛種
- 短頭種
- 子猫
- 高齢猫
- 持病がある猫
- 肥満猫
毛の長い長毛種は厚い毛で体温が逃げにくく、ペルシャやブリティッシュショートヘアーなどのいわゆる「鼻ぺちゃ猫」である短頭種は呼吸しづらい事もあり、熱中症のリスクが普通の猫ちゃんより高いです。
子猫は体温調整が未熟であり、高齢猫はあまり動かない事と体温調整が衰えているため、リスクがあります。
心臓描や腎臓病の他、循環器や内臓に疾患がある猫ちゃんも要注意。
また、肥満猫も皮下脂肪が体温を下げにくいため、内臓に負担がかかって急激に病状が悪化する恐れがあるため注意です。
まとめ
対処が遅れれば、命を落とすかもしれない猫の熱中症。
大切な猫ちゃんが熱中症にならないために熱中症の怖さ、予防法を知り、しっかりと対策しておくことが大事です。
それでも、もし熱中症の疑いがある場合は慌てずに動物病院へ連絡しましょう。
そして応急処置をしてあげる事で救命につながります。
また猫ちゃんの熱中症についてお話しましたが、飼い主の皆様もどうか熱中症にならないようご自愛ください。
大切な飼い主さんが倒れてしまっては猫ちゃんたちを守れなくなりますし、何より悲しんじゃいます。
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